最強のMACD・シグナル設定とは?オススメ設定値と期間をご紹介!

MACD

MACD(マックディー)の設定期間と具体的なパラメータ、設定値に合わせた取引手法を理解すると、トレードスタイルごとの売買シグナルと強さの判定ができ、自分に合う設定期間を選んで優位性の高い株式投資を行うことに繋がります。

パラメータ設定を変更することで、売買シグナルのタイミングや強さが変化し、MACDを使用した取引に大きな影響を与えます

このページでは、多くの投資家が使用している代表的なパラメータの他、設定期間ごとの特徴とどのように取引を行えば良いかを分かりやすくご紹介しています。

最後まで目を通して頂ければMACDを適切にトレードに活用できるようになるかと思いますので、テクニカル分析力を高めたいと思われる方は、是非一読してみて下さい。

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MACD(マックディー)の設定期間を決めるために理解しておくべき基本知識

MACD(マックディー)の設定期間を決めるためには、「MACDとは一体どのような分析なのか?」を理解しておく必要があります。

MACDを構成する3つの要素・設定期間の意味と合わせて、基本的な知識をまずしっかりと押さえておきましょう。

MACD(マックディー)とは?

MACDを構成する「MACD」・「シグナル」・「ヒストグラム」の位置の解説画像

MACD(マックディー)とは、これまでの移動平均線を進化させた、トレンド発生時に大きく効果を発揮する、精度の高いテクニカル分析の指標として多くの投資家に使用されています。

MACDは、計算方法が異なる2本の移動平均線(「MACD」と「シグナル」)と2本線の距離を棒グラフで表す「ヒストグラム」で構成されています。

従来の移動平均線よりも売買シグナルが複数出現するために、「買い」と「売り」の選択肢とその強弱を視覚的に表現します。

また、設定期間を変えることで売買シグナルの量や出現箇所も変化するため、設定について理解できれば、自分のトレードスタイルに合ったテクニカル指標として運用できるでしょう。

MACDについてしっかりと知りたい方は「MACDとは?売買の行き過ぎを測るテクニカル分析」を、移動平均線について合わせて知りたい方は「移動平均線とは?チャートの見方や設定ごとの使い方」に詳しくまとめてあるので参考にしてみて下さい。

MACD(マックディー)の設定期間と意味

MACDの設定期間によって売買シグナルの数とタイミングの差の画像

設定期間は、MACDを構成する2本の移動平均線(「MACD」と「シグナル」)の計算に使用する値の日数を指します。

この設定値を変更することで、売買シグナルを出現しやすくしたり、大きいトレンドを掴みやすくなります。

上記は同じチャートに異なるパラメータを設定した場合の比較画像です。

赤色と青色の丸で囲った部分が売買シグナルで、同じチャートでも設定期間を変えるとこんなにも見える売買シグナルが変わります

パラメータとは?

株式投資におけるパラメータとは、テクニカル分析で使用する設定値のことを表します。

短期間の取引を繰り返して利益を積み上げるケースと長期的な利益を考えるケースで設定すべきパラメータは異なり、テクニカル分析では、投資手法に合う適切なパラメータを設定することが重要です。

株式投資のルールはここで決まる!MACDの設定方法

ここで、具体的な設定期間のパラメータを見る前に、MACDの設定方法を見ていきましょう。

設定方法を知らなければ、せっかく機能する良いパラメータの設定値も宝の持ち腐れになってしまいます。

誰でも無料で使うことのできる「Yahoo!ファイナンス」のテクニカル分析用多機能チャートを使った、実際の設定画面と共に説明していきます。

yahoo!ファイナンスの個別銘柄情報ページ内にある「テクニカル分析用多機能チャート」のリンク場所の画像 width=

Yahoo!ファイナンスをクリックするとトップ画面に飛ぶので、“銘柄名やコード、キーワードを入力”の欄で銘柄を検索できます。

ここでは試しに「株式会社極洋【1301】」を検索してみます。

銘柄情報ページの中央にある“テクニカル分析用多機能チャート”をクリックすると株価チャート画面にジャンプできます。

テクニカル多機能チャート内のMACDの表示方法(テクニカル→オシレータ系→MACD)

画面右上の「テクニカル」→「オシレータ系」→「MACD」の順でクリックすると、MACDが表示され、ここで「MACD」と「シグナル」のパラメータが変更可能です。

「期間1」と「期間2」は過去何日分のデータで計算を行うか選択し、シグナルはMACDの移動平均線であり、期間を何日分にするか選択できます。

ここで決めたパラメータ設定によって、MACDに現れる売買シグナルの数や場所が変化し、売買に影響を及ぼします。

そのため、短期取引や長期取引など自分のトレードスタイルに合う、適切な設定値を選ぶことが重要です。

では、トレードスタイルに合う設定値とは一体どのような種類があるのでしょうか?

次は多くの投資家が使用している代表的なパラメータ設定をご紹介します。

MACDの発案者であるジェラルドアペル氏の推奨パラメータ設定(6 19 9/12 26 9/19 39 9)

MACDを考え出したジェラルド・アペル(Gerald Appel)氏が勧めるパラメータは、トレードスタイルごとに「短期・中期・長期」の3種類に分かれ、特に中期の設定値は、MACDのデフォルト設定(初期設定)として使用されます。

トレードスタイルとの関係は設定する値で決まるため、1つの目安として覚えておくと、取引を行う際に役立つでしょう。

ジェラルド・アペル氏が推奨しているパラメータは以下の通りです。

期間1 (日) 期間2 (日) シグナル(日)
短期パラメータ 6 19 9
中期パラメータ 12 26 9
長期パラメータ 19 39 9

期間ごとにパラメータが分かれていて、シグナルはどのパラメータでも共通して9日間ですが、MACDの計算に使う日数がそれぞれ異なります。

MACD3種類の設定期間の特徴を理解しトレードスタイルに併せ活用しよう

ディエゴ・アペル氏の設定値に出現する売買シグナルの位置と個数の違い画像(短期パラメータ:売買シグナル3個、1番出現が早い 中期パラメータ:売買シグナル3個、2番目に出現が早い 長期パラメータ:売買シグナル2個、1番出現が遅い)

基本的に短期のパラメータほど売買シグナルが早く出現し、数も多いという特徴があります。

反対に長期のパラメータほど売買シグナルが遅く出現し、数も少なくなります。

この特徴を理解し、自分のトレードスタイルに併せて使用することでエントリーとイグジットを決めやすくなり、取引を行う上で非常に役立ちます。

また、中期のパラメータは一般的なMACDのデフォルトの設定値として使用されています。

この中期の設定が基本のパラメータ設定であり、MACDを使用している投資家に最も知られている設定値です。

エントリーとイグジットとは?

エントリーとは、狙いを付けた銘柄の取引に参加することを指し、株式投資の場合は、銘柄を購入したり、信用取引で売るような取引の始めのことを表す。

イグジットとは、エントリーを行った後に、銘柄の取引を決済することを表し、銘柄を購入(売却)した場合に、売却(購入)して取引を終了させること。

クリス・マニング氏が考案したMACDの感度を上げたパラメータ設定(9 17 7)

先ほどご紹介した「ジェラルド・アペル」氏の設定値を参考に、更にMACDの反応を上げるパラメータ設定(9 17 7)を考案したのが「クリス・マニング(Chris Manning)」氏です。

クリス・マニング氏のパラメータの特徴の画像(売買シグナルの数が多くエントリーしやすいがダマシも多く存在する)

相場の変化を素早く表示できることのメリットは、デイトレード(短期売買)を行う際にトレンドの発生にいち早く気づい気付いてエントリーを行える点です。

1日でトレードを完結させるデイトレードや、数日から数週間の短期間で売買を完結させるスイングトレードでは、数時間しか発生しないトレンドを狙って売買を行うため、売買シグナルが早く出る設定の方がトレードスタイルに適していると言えるでしょう。

値動きに敏感な短期取引向けとなるMACDの設定期間

MACDの売買シグナルが早く、多く出現する短期取引向けのパラメータでは、株価の変動が少ない状況でも小さな値動きは必ずあるので、利益をあげることが可能です。

また、1日で取引を完結させるため、損益がその日のうちに確定し、すぐに結果が出せるという利点があります。

相場の変化に敏感な分、ゴールデンクロスが起こっても上昇しないなど、売買シグナル通りに機能しないダマシも多く発生するため、損切を忘れずに設定しておきましょう。

ダマシとは?

ダマシとは、テクニカル分析で買いシグナルや売りシグナルが出ているのにその通りに株価の上昇・下落が行われないことを指します。

騙された投資家は損失を出す可能性もあり、このダマシの発生を100%避けることはできません。

MACDのデフォルト設定値を4倍にすることで売買シグナルを絞るパラメータ(48 104 9)

ここで紹介する設定値は、先ほど紹介した短期取引向けの設定値とは異なり、デフォルトの設定値を大幅に増加することで、弱いトレンドに流されにくい大きなトレンドに絞って売買シグナルを見つけられます。

デフォルトの4倍パラメータの特徴の画像(売買シグナルが少ないがダマシが少ない・シグナルがわかりやすい)

大きいトレンドがわかるMACDのパラメータ設定

大きいトレンドが分かると短期的な細かい値動きに左右されずに取引を行うことができます。

例えば、上昇の売買シグナルを確認後に大きな上昇トレンドが発生し、エントリーを行った場合では急な値動きが起こったとしても、「大きなトレンド中の小さな値動きである可能性が高い」と判断できます。

なぜこの判断ができるかというと、そもそも相場はトレンドを形成するときに市場参加者の多くの売買を受け、N字状に進んで行く特徴があるためです。

また、大きなトレンドはそう何度も発生するわけではないので、出現する売買シグナルが絞られ、必然的にダマシも少なくなります。

ダマシの少ない大きなトレンドを掴むことは、リスクを抑えた取引を行うことに繋がります。

そのため、反応が遅い点を考慮しても上手く使うことができれば、株式投資で生き残るための強力な武器になります。

フィボナッチ級数を株取引に採用したことで有名な「ジョー・ディナポリ」氏が提唱するMACDの設定値(8 17 9)

フィボナッチ級数を利用した取引の第一人者であるジョー・ディナポリ(Joe DiNapoli)氏が開発した設定数値はデフォルトの設定期間よりも短く、相場の変化に反応しやすいです。

短い設定期間にありがちな、ダマシが増えて取引がしにくくなる欠点を移動平均線と組み合わせて使用することでカバーしています。

ジョー・ディナポリ氏の提唱しているパラメータ(8 17 9)は、一般的には短期売買に使われることが多いです。

設定値だけを見るとクリス・マニング氏のパラメータ(9 17 7)によく似ていますが、ディナポリ氏のパラメータは他のテクニカル分析の指標と組み合わせて使用するため、似て非なるものです。

移動平均線と組み合わせて使うMACDのパラメータとは?

ディナポリ氏提唱の投資方法では移動平均線を未来にずらして表示している画像

複数のテクニカル指標を用いて売買シグナルの精度を向上させる取引手法で、MACDと合わせて「DMA」と呼ばれる移動平均線を表示します。

ジョー・ディナポリ氏の移動平均線が一般的な移動平均線と異なる点は、一定期間の平均を計算した後に未来の相場に表示する点です。

先ほど述べたように、過去の情報を多く含んだ移動平均線の方が誤差が少なく、精度が高くなります。

短期売買に使用するMACDの設定値では、ダマシが多く発生するというデメリットがありますが、ジョー・ディナポリ氏の様に他のテクニカル指標と組み合わせて使用することで、弱点をカバーし、売買の精度を上げて取引を行えます。

DMA(Displaced Moving Average)とは?

DMAとは日足の移動平均線のことを指し、一定期間の株価(終値)を平均してその値を結んだ線のこと。

DMAは株価の平均値を割り出すという意味で長期戦略に向いており、短期戦略の失敗を防ぐことができる。

考案者の名前から「Dinapoli(ディナポリ)チャート」や、チャートの描写から「ずらした移動平均線」など、呼び方はさまざま。

設定値で売買シグナルの位置が変わる!MACDの見方・使い方

MACDの基本知識と設定期間について理解できれば、取引を始める準備は整ったも同然です。

ここからは、実際に取引を行うために必要な売買シグナルと共に、異なる設定期間のMACDを、複数使った見方・使い方を解説しています。

MACDのゴールデンクロスとデッドクロス

MACDのゴールデンクロス・デッドクロスの意味を解説している画像

「ゴールデンクロス・デッドクロス」とは、上昇トレンドと下降トレンドへの転換を表すMACDの売買シグナルです。

最近の相場を表すMACDが、シグナル(MACDの平均)を抜けることは、最近の相場が平均から外れつつあり、相場状況が変化し始めていることを意味しています。

ゴールデンクロス・デッドクロスについて基本から応用まで知りたい方は「ゴールデンクロス・デッドクロスとは?」、に詳しくまとめてあるので参考にしてみて下さい。

「MACD・シグナル」と逆方向に株価が動く状態「ダイバージェンス(divergence)」

ダイバージェンスによって株価とMACDの示すトレンド方向が異なっている画像

MACDは通常、最近の相場であるMACDとその平均であるシグナルの指し示す方向にトレンドが発生します。

しかし、例外として「ダイバージェンス」という、MACDとシグナルが指している方向とは逆方向に株価が動いている状態があり、ダイバージェンスが起こった後には、トレンドが反転する可能性が高いです。

また、ダイバージェンスにはもう一つ取引に役立つ意味がありますが、他の売買シグナルも含めたMACDの詳しい見方・使い方に関してはMACDの見方・使い方を売買シグナルと共に詳しく解説!をご覧下さい。

MACDの売買シグナルの強さ

MACDにおける強い売買シグナルの条件の画像(複数のシグナルが同時に起こっている様子)

MACDの売買シグナルは出現した場所や形状によって強さが変化します。

ゴールデンクロス・デッドクロスやヒストグラムの上下、0ラインなど注目するべき場所ごとの強い売買シグナルをまとめると以下の通りとなります。

注目する場所 特徴
角度のついたクロス 水平ではなく、×の様なクロスが望ましい
0ラインとの位置関係 ゴールデンクロスなら0ラインよりも下、デッドクロスなら0ラインよりも上で起きたクロス
ヒストグラム 通常時よりも数値が増加した時
※総じて複数が同時に起こるとより強い売買シグナルになる。

緩やかにクロスするのでは無く適度な角度がついたクロスは、上昇(下落)に勢いがある証拠で強い売買シグナルになります。

0ラインは、ヒストグラムの上下が切り替わる部分でトレンドの転換点と判断でき、0ラインの上下とは高値圏・安値圏は除きます。

高値圏と安値圏は、トレンドの終盤だった場合に大きな損失を出す可能性が高いため、押し目買い・戻り売りの機会を狙ってエントリーしたほうが含み損を抱えるリスクが低く、比較的安全な取引を行えます。

また、上記画像の様に、複数のシグナルが上昇トレンドを示していると信憑性が高いと判断できます。

すべての売買シグナルが揃う完璧な状況は簡単に表れないため、複数の売買シグナルが同じ方向を示していれば優位性が高いと言えるでしょう。

押し目買い・戻り売りとは?

戻り売りとは、下降相場の中での一時的な上昇中に売りポジションをとることです。

株価の動きは大抵、細かく上下に動きながら上げたり下げたりするため、大きな下降相場中の上昇で売りポジションをとることにより、多くの利益が見込めます。

押し目買いとは、反対に上昇相場の中での一時的な下降中に買いポジションをとることです。

異なるパラメータ設定のMACDを複数使う

異なるパラメータを使用した取引のエントリーとイグジットのポイント画像

上記画像は、ディエゴ・アペル氏が推奨するパラメータ設定を複数使った時のチャート画像です。

短期・中期・長期の異なるパラメータ設定のMACDを使い分けることで、エントリーとイグジットの目安が明確になり、はっきりとここで取引をしようと考えることが出来ます。

例えば、クロスに勢いのあるような強いトレンドが発生した時にエントリーをした場合には、売買シグナルが出るのは遅いが精度の高い長期パラメータに設定しているMACDを見てイグジットを決めると、短期や中期だけを見て取引を行うより根拠のある優位性の高い取引を行うことが出来ます。

反対に、「なんとなくトレンドが始まりそう(終わりそう)だから」と根拠の無いエントリーやイグジットをしてしまうと、きちんと分析した売買に比べて利益が伸びなかったり、思わぬ損失が出てしまったりします。

このように複数のパラメータを使い分けることが出来れば、売買の選択肢が増えて柔軟な取引を行うことに繋がります。

選択肢は多ければ良いというものではありませんが、相性が良い他のテクニカル指標とも組み合わせると、違った方向から相場を分析できるため、優位性の無い選択肢を削り、良い選択肢を増やすことも可能です。

MACDと相性の良いテクニカル指標である一目均衡表について、合わせて知りたい方は「一目均衡表とは?雲が分かりやすい日本発のテクニカル分析」に詳しくまとめてあるので参考にしてみて下さい。

「最強のMACD・シグナル設定」まとめ

MACDに限らず、テクニカル指標を充分に機能させるためには、設定期間と具体的な設定値、その設定値に合わせた取引手法を理解しておく必要性があります。

MACDの設定ごとの特徴を理解すると、トレードスタイルに必要な売買シグナルとその強さが判断でき、自分に合ったテクニカル指標として運用できるでしょう。

また、パラメータ設定は自由に変更できますが、多くの投資家がテクニカル指標を信じて、その向きに繰り返し売買を行った結果として相場が変動するため、あまりに優位性の低いマイナー過ぎるパラメータは効果が期待できないと言えます。

そのため、多くの投資家が検証してきた有名なパラメータを使用することは、他の市場参加者と同じ目線で取引を行い、現実的に利益を積み上げていくための一歩と言えるでしょう。

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