取引手法で違う!ボリンジャーバンドの設定方法とベストな設定期間とは?

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドを使用して取引を行う上で考えなくてはいけないことの1つにボリンジャーバンドの設定があります。

設定期間に使われている数値はきちんと意味があり、それらはトレードスタイルや考え方によって変化します。

トレードスタイルに合っていない設定をしてしまうと、相場が動いたときに正しいシグナルを表してくれないことがあります。

そのような状態に陥ってしまわないようにトレードスタイルと設定期間の関係を理解しておく必要があります。

それでは、ボリンジャーバンドの設定に一体どの期間を使用すれば良いのでしょうか?

ボリンジャーバンドの基本的な設定方法から、トレードスタイルごとに変わる設定期間の具体的な数値をご紹介していきます。

ボリンジャーバンドの設定方法を分かりやすく解説

ボリンジャーバンドの設定方法のメイン画像

ボリンジャーバンドを使用して取引を行うには、実際にチャート画面に表示する必要があります。

ここでは、株マップ.comを例にしてどんな操作を行って設定するのか?実際の画面と共に具体的な設定方法を解説していきます。

ボリンジャーバンドの設定方法とは?

まず、「株マップ.com」をクリックして頂くとトップページが表示されます。

ここでは試しに、株式会社極洋【1301】を銘柄検索の部分から検索してみましょう。

画面左中央部分にある「チャート」をクリックして頂くと極洋の銘柄情報画面に遷移します。

画面中央下部の「クオンツチャート」をクリックすると、別画面で表示されます。

デフォルトで移動平均線の表示された株価チャートや出来高が表示されますが、今回は移動平均線と出来高は使わないので×を押し、消してしまって大丈夫です。

株マップ.comのテクニカルチャート説明画面の画像

「チャート設定」→「チャート/オプション」を選択してスクロールし、「ボリンジャーバンド」を選択すると画面上にボリンジャーバンドが表示されます。

株マップ.comのテクニカルチャートのボリンジャーバンド詳細設定画面の画像

上記の画面でボリンジャーバンドの詳細設定を決めることができ、σバンドの期間と移動平均線の期間を設定します。

ここで初心者の方が設定する期間は、20がおすすめです。

なぜ20を使用するかというと、株式市場は週5日開いているため、1か月分のデータを表示させることができ、20はスタンダードな数値として知られているからです。

ボリンジャーバンドとは?理解しておくべき基本知識

ボリンジャーバンドとは、移動平均線と標準偏差であるσ(シグマ)バンドから価格の幅を見ることのできるテクニカル分析で、過去のデータから価格の変動予想を行い、買われ過ぎと売られ過ぎを判断しやすくしてくれます。

すべてのテクニカル分析に共通することですが、意味を理解していないと使いこなすことはできません。

理解せずに何となくで取引を行うと、優位性に欠けたリスクの高い取引になってしまい、貴重な資産を失うことになりかねません。

そうならないために、基本的な知識はしっかりと抑えておきましょう

ボリンジャーバンドとは?

株価チャート中のボリンジャーバンドの画像(±1σ、±2σ、±3σ)

ボリンジャーバンドは、上下にある3種類のσ(シグマ)バンド「±1σ・±2σ・±3σ」と、中心にある移動平均線の7本で構成されていて、「移動平均線を中心としたσバンドの中に、株価の推移を表すローソク足の大半が収まる」という考え方をもとに分析を行います。

それぞれのσバンドにローソク足が収まる確率をまとめると以下の通りとなります。

  • ±1σのバンド間にローソク足が収まる確率は約68%
  • ±2σのバンド間にローソク足が収まる確率は約95%
  • ±3σのバンド間にローソク足が収まる確率は約99%

ボリンジャーバンドを使うと、株価の上がり過ぎ・下がり過ぎが一目で分かり、順張りと逆張り両方の取引に活かすことが出来ます。

例えば、現在の株価が+3σバンドに触れている場合に、+3σバンドに収まる可能性が99%と圧倒的に高いため、逆張りの取引を行おうと考えることができます。

ボリンジャーバンドの特徴3パターン

株価チャート中のボリンジャーバンドの形状パターンの画像(スクイーズ、エクスパンション、バンドウォーク)

※桃色:移動平均線、水色:±1σ、赤色:±2σ、緑色:±3σ

ボリンジャーバンドには、基本となる3つのパターン「スクイーズ」「エクスパンション」「バンドウォーク」が存在し、それぞれのパターンから現在の相場状況を読み取ることが出来ます。

パターンごとの特徴は以下の通りです。

σバンド 移動平均線 ローソク足 相場状況
スクイーズ 収束している 水平に近い σを往復する動き 値動きが狭い
エクスパンション 拡大している トレンド方向に傾く トレンド方向に動く トレンドを表す
バンドウォーク 拡大している トレンド方向に傾く σに沿った位置 強いトレンドを表す

この3パターンと特徴は、ボリンジャーバンドを使用する上で、非常に重要になってくるので必ず覚えておきましょう。

また、ボリンジャーバンドの基本的な知識を詳しく知りたい方は「ボリンジャーバンドとは?株価の上がり過ぎ下がり過ぎが見えるテクニカル分析」にまとめてあるので参考にしてみて下さい。

ボリンジャーバンドは順張りと逆張りで使用できる

株価チャート中のボリンジャーバンドの順張りと逆張りポイントの画像(スクイーズ、エクスパンション、バンドウォーク)

順張りで取引を行う場合は、σバンドがエクスパンションの形状の時になり、ローソク足がスクイーズの上限(下限)σバンドの価格をしっかりと抜けることが条件になります。

また、スクイーズもエクスパンションへと変化を始め、σバンドが徐々に開いていくため、開き始めたタイミングでエントリーすることが安全と言えるでしょう。

完全に開いてしまったタイミングでエントリーをすると利益も伸びづらく、結果的に損失を出してしまう可能性があるので注意が必要です。

逆張りで取引を行う場合は、σバンドがスクイーズの形状の時になります。

σバンドが抵抗線と支持線の役割を果たし、値動きを抑えて(支えて)くれている状態が逆張りで取引を行うチャンスです。

σバンドが値動きの上限と下限になり、その間を株価が推移しているときに上限に達したら売りのポジション、下限に達したら買いのポジションで取引することができます。

また、この時に移動平均線が水平でないと、もち合いの相場がすぐに終了してしまい、トレンドが発生してしまうことが多いです。

ボリンジャーバンドの設定期間から見る使い方

ボリンジャーバンドの設定期間から分かる使い方のメイン画像

ボリンジャーバンドの設定期間に、具体的にどんな数値を入れたらきちんと機能してくれるのでしょうか?

すべてに通じた、この数値であるという答えはありませんが、トレードスタイルによって人気のある設定数値は確かに存在しています。

ここでは、トレードスタイルごとに使用されることの多い数値と実際の取引の方法をご紹介していきます。

設定期間とトレードスタイルの関係

トレードスタイルによって使用する設定期間の数値は変化し、表示されるボリンジャーバンドにも違いが出てきます。

トレードスタイルごとに設定期間の相性が存在していて、多くの投資家が使う設定期間を使用することで、そのテクニカル分析をもとに行う売買がチャートに反映されやすくなります。

その結果としてテクニカル分析通りに相場が動くことに繋がるのです。

つまり、設定期間とトレードスタイルの関係は、短期・中期・長期である程度、この設定期間が機能しやすいと既に決められている関係にあり、考え方も変わってきます。

トレードスタイルには、大きく分けて以下の3種類がありますが、トレードスタイルごとにどのような設定期間と考え方が存在しているのか見ていきましょう。

トレードスタイル トレード期間(保有期間)
デイトレード(短期) <数秒~1日/td>
スイングトレード(中期) 数日~数週間
ポジショントレード(長期) 数週間~数年

ボリンジャーバンドでデイトレードを行う際の設定期間<

ボリンジャーバンドでデイトレードを行う際の一般的な設定期間には、「9」または「10」の数値が使用されます。

デイトレードになると、短期間での取引を行うことになるため、ある程度エントリーできるタイミングが多い取引を行わなければなりません。

設定期間が9や10のような短期のボリンジャーバンドを使うと、株価の推移がチャートに反映されやすいため、エントリーの機会も増えます。

そのため、日足より小さな時間足に設定期間が短期のボリンジャーバンドを表示させて取引を行うことが多くなります。

先ほど、エントリーの機会が多くなると述べましたが、エントリーの機会が多いということはその分ダマシも多くなるということになるため、取引する際には注意が必要です。

ダマシとは?

ダマシとは、テクニカル分析で買いシグナルや売りシグナルが出ているのにその通りに株価の上昇・下落が行われないことを指します。

騙された投資家は損失を出す可能性もあり、このダマシの発生を100%避けることはできません。

エントリーやイグジットなど、ボリンジャーバンドの実践的な使い方はボリンジャーバンドの使い方・見方 順張りと逆張り両方で使えるテクニカル分析でご紹介しているので参考にしてみて下さい。

ボリンジャーバンドでスイングトレードを行う際の設定期間

ボリンジャーバンドでスイングトレードを行う際の一般的な設定期間には、「20」や「21」、「25」の数値が使用されます。

この数値たちは、スイングトレードだけで無く、初心者にも優しい、相場の状況を見るときのスタンダードな数値として知られています。

数日から数週間で取引を完結させるスイングトレードでは、日足や週足を使って中期的な方向性を見るため、約1か月分の流れを表す上記の数値で設定します。

状況にもよりますが週足は、デイトレードで表示させることの多い下位足と比較すると、スクイーズとエクスパンションの動きが激しくありません。

そのため、中期的な目線で他の投資家が注目している価格帯を見つけることができ、この価格帯をブレイクアウトしたらエントリー(イグジット)しよう、と順張り・逆張りの取引方法を考えやすくなります。

ボリンジャーバンドでポジショントレードを行う際の設定期間

ボリンジャーバンドでポジショントレードを行う際の一般的な設定期間には、「50」や「75」の数値が使用され、約2~3か月分の過去のデータをもとに長期的なトレンドの方向を見て取引を行います。

長期保有する前提で株を取引するため、週足や年足に表示させてしっかりとエクスパンションを確認してから売買を始めることが大切になってきます。

エントリーのタイミングを間違えてしまうと「気づいたら大量の含み損を抱えてしまっている」、なんてこともあり得るので、トレンドの方向とボリンジャーバンドの形状をよく確認して取引するようにしましょう。

設定期間を決めるうえで重要なこと

設定期間を決める上で重要なことは、「ボリンジャーバンドで相場の何を見ることができるかを理解した上で、どんな取引を行いたいか」です。

ボリンジャーバンドは、株価がどのくらいまで変動する可能性があるかを見ることのできるテクニカル分析です。

トレードスタイルによって設定期間は変わるものの基本的な使い方は同じで、順張りはエクスパンション・逆張りはスクイーズの時に機能しやすいということは変わらないです。

また、単純に設定を行うだけで、誰でも簡単に利益を出せるわけではありません。

そのため、トレードスタイルごとの主な設定期間をもとに、経験を重ね、自分の取引の根拠として、より機能する設定期間を見つけようと変化させて行く事が、自分にとってベストな設定期間になると言えます。

ボリンジャーバンドの設定方法と設定期間についてまとめ

ボリンジャーバンドの設定について基本的な考え方と根拠をご紹介してきました。

トレードスタイルごとに相応しい設定期間は存在し、見ることのできる相場の情報量も変わってきます。

多くの投資家に使われている設定期間を取り入れることで、相場に機能するボリンジャーバンドを作ることができます。

ボリンジャーバンドを含めたテクニカル分析というものは、1つだけに頼り過ぎてもなかなか結果を出すことは難しいです。

しかし、他のテクニカル分析と組み合わせて使うことで、多くの投資家が相場のどこに注目しているのか分かることに繋がり、取引の精度を向上させることになります。

まずは、自分がどんなトレードスタイルで取引したいのか考え、そのトレードスタイルに合うと言われている設定で取引を行い、自分に合った設定期間を見つけて、結果を出せるように経験を積んで行きましょう!

アナリストによるチャート・テクニカル分析

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